ご挨拶

「頼りがいのある司法を築く日弁連の会」
代表世話人 弁護士 山岸良太

頼りがいのある司法を築く二弁の会 代表世話人山岸良太

この度、「頼りがいのある司法を築く日弁連の会」の代表世話人となりましたので、一言ご挨拶申し上げます。

大企業の不祥事が続いています。日本の「ものづくりの心」や「三方良し(買い手良し、売り手良し、世間良し)」の心はどうなってしまったのでしょうか。政府や官庁の不祥事も続いています。「人々の命と暮らしを大切に(基本的人権の擁護)」、「社会に正義の筋を通す(社会正義の実現)」という「法の支配」の理念が、ないがしろにされているという強い危惧感を持っています。

他方で、「不安な個人、立ちすくむ国家」というレポートが、経済産業省の「次官・若手プロジェクト」として公表されました。グローバル化、ビッグデータの独占化・監視社会化、自動運転・ロボット化やソーシャル化、少子高齢化等の大波が社会に押し寄せ、また、大規模な震災が予測される中、国家に立ちすくまれてしまっては、不安な個人はどうすればよいのでしょうか。

私は、弁護士として、今のわが国をめぐる情況を見て、先端技術等による社会の激変に「法の支配」を行き渡らせるため、弁護士・弁護士会が強力に関与できる「頼りがいのある司法」を直ちに築かなければならないと痛切に感じています。

若手会員が、20年、30年と弁護士業務を続けていくためには、先端技術等による社会の激変に適切に対応することが不可欠です。しかし、この対応は個々の弁護士の力ではやり切れません。日弁連が、若い世代の会員の力を結集して、激変する社会に対応して弁護士が「頼りがいのある司法」を担えるよう、直ちに対応に着手していかなければなりません。

しかも、市民にとって「司法」は、身近で利用しやすく十分な力を備えた「頼りがいのあるもの」でなければならず、全国津々浦々の市民の期待に応えるため、全国各地域で十分な力を備えていなければなりません。もちろん、支部を含め各地域の裁判所や法テラス等の財政的な基盤を十分なものとしなければならないと共に、個々の弁護士も「使命」をより良く果たし「頼りがいのある司法」の一翼を担う者として、弁護士業務の基盤を強固なものにするため、各地の弁護士会と協力の上、日弁連が業務課題全般について尽力する必要があります。

私は、日弁連や弁護士会で、弁護士業務委員会関係の委員等を務め、また、法律サービス展開本部で企業内弁護士をサポートする仕事や、社外取締役ガイドライン作成の初代座長も務めました。更に、私自身の業務として、コンピュータソフト開発をめぐる紛争を手掛けてきました。このような今日的な業務課題全般について、全国各地の多くの会員の皆様のご意見をお聞きし、将来にわたって弁護士が誇りある職業であり続けられるよう、更なる方策を実行して行きたいとの願いを持っております。

また、憲法問題について、弁護士として、1人の国民として関心を持たざるを得ません。弁護士法1条1項、2項の使命から、憲法問題は弁護士会が対処すべき人権課題の中でも核心的な課題と言えます。憲法問題について弁護士・弁護士会が傍観していることは、国民・市民に対する使命を果たしたとは言えません。

日弁連としては、これまでの鳥取、富山、広島の人権大会の宣言や安保法制の決議、意見書などの日弁連の活動を十分に踏まえながら、適切なタイミングで法律家団体としての適切な情報を発信することが、「頼りがいのある司法」としての役割を果たすことだと考えています。

私は、強制加入団体として色々な考えを持つ弁護士がいる中、2013年に日弁連副会長としてこの問題を担当し広島の人権擁護大会での宣言に関与し、その後も憲法問題対策本部の本部長代行として働かせていただきました。その意味で、この問題に対する思いを強く持っております。

以上、「頼りがいのある司法を築く日弁連の会」の代表世話人となった私の思いを述べさせていただきました。

今後、全国各地の先生方と親しく意見交換の機会をいただく中で多様なご意見を承り、ご賛同をいただければ、本年6月14日、「頼りがいのある司法を築く二弁の会」を「頼りがいのある司法を築く日弁連の会」に発展させ、日弁連の人権課題、業務課題等の重要な課題の全般について、対処する方策を皆様と一緒に考えて示すことができればと願っております。

ご賛同いただける先生方のご支援をお願い申し上げます。